研究概要 |
コネクテインの機能の測定には、この蛋白質を構成成分とする高分子型フェレドキシンーNADP還元酵素(FNRーL)の生理機能の測定のために考案されたチラコイド膜NADP光還元系の再構成実験法が利用できると考えられたので、本研究ではこの方法をコネクテインの機能測定用に改変することから研究をはじめた。この目的のために、FNRーLの精製法とFNRーL除去チラコイド膜の調製法を改良し、高純度のFNRーLと界面活性剤(CHAPS)を用いてFNRーLを除去したチラコイド膜を調製した。そして、これを用いて再現性の高い再構成実験法を確立した。この実験法では、チラコイド膜からFNRーLをCHAPS処理によって除去するとNADP光還元活性が減少し、FNRーLを再結合させると活性が回復することが測定できた。このNADP光還元活性の回復において、FNRーLを再結合すると活性は完全に回復するが、コネクテインを含有しない単量体のFNRを再結合した場合にはほとんど活性の回復が起こらなかった。コネクテインの有無がこの相違を引き起こしたのであるから、この結果はこの実験法によってコネクテインの機能の測定が可能となったことを示している。 コネクテインのこのユニ-クな機能はその構造に帰着するものであるからアミノ酸組成とN末端構造の解析を試みた。この結果、コネクテインはプロリン,セリン,グルタミン酸の含有量の高いことを特徴とする蛋白質であることがわかった。N末端構造は16残基目まで分析したが、その構造に類似するペプチドは今までに報告されていない。
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