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1990 年度 実績報告書

自亜系産ソテツ植物の系統解剖学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02640533
研究機関千葉大学

研究代表者

西田 誠  千葉大学, 理学部, 教授 (40009428)

研究分担者 西田 治文  国際武道大学, 体育学部, 講師 (30164560)
キーワード白亜紀 / 植物化石 / ソテツ植物 / キカデオイデア / キカデオイデラ / 北海道
研究概要

ベゴ科木生シダの新属の発見
岩手県久慈市に分布する後期白亜紀久慈層群玉川層(サントニアン期8500万年前)から発見された木生シダの硅化根茎が、ヘゴ科木生シダで現生のタカワラビ属に近縁の新属であることがわかった。ヘゴ科が自亜紀において、現在より多様であること、久慈付近の白亜紀の古気候が、木生シダの生育に適する、温暖湿潤であったことなどが明らかになった。
ベネチテス目の花に関する新知見
千葉県銚子および北海道の白亜系から発見された、本邦初のベネチテス目植物の花解剖によって、同目の花構造に新知見が得られた。第一に、胚珠には、珠皮が一枚ある他に、それを包むように、第二の被覆があることがはっきりした。この存在は、コンプレッション化石のクチクラ層研究から示唆されていたが、実際の石化化石ではっきりと認識されたことはない。また、ベネチテス目の花には胚珠の珠心にみ維管束が入るものと、珠皮にのみ入るものと2タイプあることがわかった。胚珠の構造とその進化については、定説がなかったが、今回の新知見は、こうした問題を明らかにするうえで画期的なものである。
第二に、小胞子葉につく集合子のう壁に維管束を見出した点が重要である。ベネチテス目の集合子のうは、リュウビンタイ科の集合子のうと対比されてきたが、後者とは全く別の進化をした構造であることがはっきりし、また古生代の種子シダ類の集合子のうからの進化過程を解明するうえで大きなよりどころを与える。
以上の事実をもとに、ベネチテス目の花の進化をあとづける新仮説をたてつつある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Mishida,M.,H.Nishida and T.Ohsawa: "Anatomy and Affinities of the Petrified Plants from the Tertiary of Chile (IV)." Bot.Mag.Tokyo. 103. 255-268 (1990)

  • [文献書誌] Stockey,R.,M.Nishida and H.Nishida: "Structure and Diversity of the Woody Conifer Seedlingーlike Structure from the Upper Cretaceous of Hokkaido,Japan." Botanical Gazette. 15. 252-262 (1990)

  • [文献書誌] Nishida,M.,H.Nishida and T.Ohsawa: "Yezosequoia shimanukiii gen.et sp.nov.,a Taxodiaceous cone from Hokkaido." Jap.Journ.Bot.67. (1991)

  • [文献書誌] 西田 誠 編著: "改訂:植物と菌の系統と進化" 財)放送大学教育振興会, 189 (1991)

  • [文献書誌] 西田 誠 監修: "植物:ワイド・ビジュアル(イラストレイテッド・エンサイクロペディアQ&A)" 学習研究社, 152 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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