研究概要 |
1)増精器形成時に特異的に出現するタンパク質の解析 カニクサ胞子をGA_3を含む培地に蒔き同調的に造精器を形成した配偶体から抽出した可溶性画分から,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によりタンパク質の分離を試みた。その結果、10^<ー5>M GA_3を加えた培地では造精器形成とほぼ同じ時期に分子量約38、000及び69,000の新しいタンパン質のバンドの出現が確認された。 今後、2次元電気泳動、 ^<32>Sメチオニンの取り込み等により造精器分化に特異的なタンパク質の出現を確認する予定である。 2)シダ胞子からの突然変異体の単離 造精器分化の機構を遺伝子発現のレベルで解明するための手段として、アンセリジオ-ゲンに対する感受性、アンセイリジオ-ゲンの合成能、感受性等に関する突然変異体の単離のための基礎実験を試みた。 カニクサ、ホウライシダ、モエジマシダおよびアメリカミズワラビ胞子を突然変異誘発剤EMS(ethyl methyl sulfonate)で処理、寒天培地に蒔き、生じた原糸体、前葉体の変異を観察した。その結果、それぞれの種において、細胞分裂、原糸体の成長の異常な個体、葉緑体を欠く個体等が現れた。今後、これらの個体をさらに追跡し、胞子体から胞子を得、突然変異体であることを確認する予定である。
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