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1990 年度 実績報告書

ゾウリムシ・ヘモグロビンの構造とその遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 02640553
研究機関新潟大学

研究代表者

臼杵 格  新潟大学, 教養部, 教授 (90018242)

研究分担者 山内 清志  靜岡大学, 理学部, 助手 (50201827)
落合 威彦  新潟大学, 理学部, 助手 (40075031)
キーワードゾウリムシ / ヘモグロビン / cDNA / 一次構造 / 塩基配列
研究概要

ゾウリムシParamecium caudatumのヘモグロビンは電気泳動的に5〜6成分から成る夛成分系であるが,その70〜90%はHb_<10>と呼ぶ成分が占める。このHb_<10>遺伝子の塩基配列を知る目的で,ゾウリムシYC株のDNAを組込んだ大腸菌HB101株をHb_<10>抗体でスクリ-ニングしたが陽性クロ-ンを得ることは出来なかった。そこで,Iwaasa等(1989)により報告されたHb_<10>グロビンの一次構造に基き,32塩基から成る合成オリゴヌクレオチドをプロ-ブにしてcDNAライブラリ-をスクリ-ニングした。その結果0.4,0.6,0.9Kbpの3種類の陽性クロ-ンを得たが,その中の0.4KbpのcDNAからHb_<10>をコ-ドする全塩基配列を決定出来た。そして,1)この塩基配列に対応する116アミノ酸残基の配列はIwaasa等の結果と完全に一致していること,2)高等動物や大腸菌では終止コドンとして働らくTAAコドンを4個所に持つが繊毛虫ではグルタミンに翻訳されること,等を確めた。
一方,P.caudatum Hb_<10>の等電点の実測値はpH3.9ー4.0であるが,狭域pHの等電点電気泳動あるいはHPLCを用いたクロマトフォ-カシング等により,Hb_<10>にはA(pI3.9),B(pI4.0)の二型が存在し6亜種16株中,A型Hb_<10>は5亜種8株,B型HB_<10>は4亜種5株,AB混合型は2亜種3株に分布することを明らかにした。また,一次構造と遺伝子の塩基配列が解明されたHb_<10>はA型のものであることを確めた。アミノ酸分析の結果から,B型Hb_<10>も116アミノ酸残基から成ると仮定するとA,B両型の間で数個のアミノ酸の置換があると考えられる。次年度にはB型Hb_<10>の一次構造を解明すると共に,ゲノムDNAに存在するヘモグロビン遺伝子数およびそれらの存在様式を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mukai,M.,Yamauchi,K.,Ochiai,T.and Usuki,I.: "Cloning and sequencing of a cDNA encoding the mojor hemoglobin component of Paramecium caudatum(Abstract)." Zoological Science. 7(6). 1078 (1990)

  • [文献書誌] Hirai,I.,Ochiai,T.and Usuki,I.: "Interーsyngenic and interーstock variations of the acidic and basic hemoglobin components from Paramecium caudatum(Abstract)." Zoological Science. 7(6). 1064 (1990)

  • [文献書誌] Yamauchi,K.,Ochiai,T.and Usuki,I.: "Nucleotide sequence of the cDNA for the major hemoglobin component from Paramecium caudatum." Journal of Molecular Biology.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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