研究概要 |
1試験採取 総計186個の定方位試料,および, ^<14>C年代決定のための具と珊瑚を採取した。 (1)久米島島尻海岸(2ケ所,10,15個),(2)宮古島東平安名岬(2ケ所,15,16個),(3)宮古島大浦東海岸(4ケ所,18,11,11,10個),(4)沖縄本島大宣味村北東海岸(1ケ所,15個),(5)沖縄本島本部町備瀬(1ケ所,13個),(6)沖縄本島読谷村(1ケ所,12個),(7)Heron Island,Queensland,Australia(4ケ所,10,10,10,10)[註(7)は別件の国際学術調査中に採取] 2有用な測定結果 測定はまだ未終了であるが,Heron Islandと久米島のビ-チロックについて,交流消磁後,NRMの方向が現在の地磁気の方向(I=-55,D=10;I=37,D=-3)と有意に異なる方向(I〜-40,D〜0;I〜+45,D〜0)にシャ-プに収束した。 3成果 (1)NRMが現在の地磁気からそれた方向へシャ-プな収束をすることから,本研究テ-マを具体化するための基礎が確保された。本研究をまとめた後,太平洋における完新世の地磁気変動測定を目指したい。 (2)ビ-チロックが南北両半球においてそれぞれ上下方向の残留磁気を示したことから,ビ-チロック類似の成因をもつSilcreteやCalcreteのようなChemical Sedimentsが,測定可能な残留磁気を有し,かつ,過去の地磁気逆転を記録できることは確実と言える。私は本成果をもとにしてChemical Sedimentsの古地磁気という新しい研究分野を開拓したいと考えている。
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