研究概要 |
今年度は,以下の調査・研究を行い,次の成果を得た。 1)北海道紋別市西方に分布する日高累層群瑠橡層の地質調査を前年度に引きつづいて行い,さらに広い地域にわたって層序・岩相分布・緑色岩の産出状況等が明らかになった。 2).ルロチ層は,全体的に北北西・南南東方向の走向を示し,高角度で傾斜している。地層のフェ-シングは,西向きが卓越するが,しばしは東側に倒れた同斜褶曲によって地層が繰り返す。主に,砂岩頁岩互層と頁岩から構成され,調査域西部の砂岩頁岩互層を主とする地層中に緑色岩が分布する。緑色岩は,厚さが約200mあり,背斜軸をはさんで繰り返している。緑色岩は,粗粒玄武岩・塊状玄武岩・枕状玄武岩・ハイアロクラスタイトより構成される。前年度の調査に加えてさらに広域に,緑色岩と砕屑岩の関係を検討した。玄武岩中のゼノリス(泥質岩)やインタ-ピロ-が泥質岩よりなる枕状玄武岩,玄武岩の貫入にともなう泥質岩の熱的変質等が各地で確認された。 3).本テ-マをさらに広域的に発展させるための研究として,九州の四万+累層群槙峰層と四国の四万+累層群牟岐累層の調査を行った。前年度に引きつづくこの調査により,両層に含まれる緑色岩類8瑠橡層のそれと同様に,陸源砕屑物の堆積場で噴出もしくは貴入したことが明らかになった。
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