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1991 年度 実績報告書

CI炭素質コンドライトマトリックスの電子顕微鏡による鉱物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02640622
研究機関東京大学

研究代表者

留岡 和重  東京大学, 理学部, 助手 (00201658)

キーワード隕石 / 炭素質コンドライト / 太陽系星雲 / 惑星 / 衝撃圧縮 / コンドリュ-ル / 変形 / 透過電子顕微鏡
研究概要

1.南極で発見されたCOタイプ炭素質コンドライトであるYamatoー791717隕石中の高温起源包有物(CaーAlーrich inclusion or CAI)の詳細な岩石鉱物学的研究を行なった。Y791717中のCAIにはNaに富む鉱物であるネフェリンやソ-ダライトが多量に(体積%で5〜80%)含まれていることがわかった。CAIは太陽系星雲が高温であった時期(1200〜1600K)に生成した物質から成り立っているが、ネフェリンやソ-ダライトはCAIの通常の構成物質よりはるかに低い温度(〈1000K)で生成すると考えられている。今回の研究でネフェリンやソ-ダライトが高温で先に生成したメリライト、スピネル、Ca、Alに富む単斜輝石を交代して生成している証拠が見出されたことから、Y791717のCAIは低温(〈1000K)の星雲ガスと大規模な変成反応を起こしたと解釈される。
2.Leoville隕石は最も未分化な炭素質コンドライトの一種であるが、圧力による強度の変形を受けた組織を示すユニ-クなものである。これまでその圧力が何に起因するものであるか良くわかっていなかった。今回は透過電子顕微鏡(TEM)を用いてマトリックス及びコンドリュ-ル中のカンラン石と輝石の微細組織の観察を行なった。その結果、マトリックス、コンドリュ-ル両者のオリビンに高密度のらせん転位が存在し、また輝石にも多数の単斜輝石ラメラが存在することがわかった。これらは衝撃圧縮に特有の組織であることから、Leovilleの変形は隕石母天体への物体の衝突のよって生じた可能性が高いと考えられる。
3.今回補助を受けた主要研究課題である南極産のCI炭素質コンドライトに関する我々の岩石鉱物学的研究、および他の様々な研究者達の研究成果を総括し、その結果にもとづいてCIコンドライトの成因について新たな考察を行ない、review(in Primitive Solar Nebula and Origin of Planets)としてまとめた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Tomeoka: "Naーbearing CaーAlーrich inclusions in the Yamamotoー791717 CO carbonaceous chondrite" Meteoritics. 27. (1992)

  • [文献書誌] T.Nakamura: "Shock effects of the Leoville CV carbonaceous chondrite:A transmission electron microscope study" Earth Planet.Sci.Lett.(1992)

  • [文献書誌] 留岡 和重: "惑星間塵の鉱物学(総説)" 鉱物学雑誌. 20. 105-122 (1991)

  • [文献書誌] 留岡 和重: "炭素質コンドライトは本当に未分化な物質か" 鉱物学雑誌. 20. 193-200 (1991)

  • [文献書誌] A.C.LevasseurーRegourd and H.Hasegawa(eds.),K.Tomeoka: "Origin and Evolution of Interplanetary Dust(Aqueous alteration in hydrated interplanetary dust particles)" Kluwer Academic Publishers,Tokyo,71-78 (1991)

  • [文献書誌] H.Oya and K.Nakazawa(eds.),K.Tomeoka: "Primitive Solar Nebula and Origin of Planets(Metamorphic processes in new CI carbonaceous chondrites from Antarctica:Mineralogy and petrology)" Terra Scientific Publish.Company,Tokyo,(1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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