研究課題/領域番号 |
02640628
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
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研究分担者 |
宇野 泰章 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90029702)
新原 晧一 大阪大学産業科学研究所, 教授 (40005939)
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キーワード | フェリエライト / ZSMー11 / ホウ沸石 / 同形置換 / 合成 / 固溶体 / 結晶形態 |
研究概要 |
水熱反応装置を用いてフェリエライト及びZSMー11のAl^<3+>を、前者ではFe^<3+>で、後者ではGa^<3+>で同形置換する実験を行ない、これら置換体の生成条件がほぼ判明した。反応温度は、いずれも150℃が最適であったが、反応時間はフェリエライトでは10日程度必要であり、ZSMー11では比較的短く6日であった。特に、ZSMー11は安定な結晶でないため、反応時間が長引くと容易にZSMー5に変わることが判った。フェリエライトではAl端成分は得られるが、Fe量の増加と共に、小量のモルデナイトも共存した。しかし、Feが35%以上置換するとフェリエライトのみ生成した。つまり、Fe量の多い側でのみ固溶体が得られた。一方、ZSMー11では、元来高シリカゼオライトであるため、Alの含有量が少ないので、従ってGaによる置換量もわずかであった。Ga端成分の最大置換量は、化学分析の結果、単位格子当たり2.63Gaであり、これとほぼ同数のAlを含むAl端成分との間で連続固溶体が得られた。この時、出発物質と生成物におけるAlとGaの量的関係から、ほぼ理想固溶とみなすことができた。その原因は、合成時のシリカ源に高純度の金属ケイ素(99.999%)を用いたことにある。 次に、置換体の結晶形態であるが、フェリエライトには2種類の形態が見られ、一つは柱状晶であり、他は板状晶がキャベツのように球状に集合したものであった。これらの形態は天然のフェリエライトでも見いだされている。また、これらの形態はFeの含有量には無関係に常に混在した。ZSMー11では、出発物質の水の含有量によって変わり、水が多いと単柱状に大きく成長し、少ないと板状の微結晶の集合体になった。メタノ-ルから炭化水素への転化反応については現在実験中である。また、ホウ沸石のGaにるAlの同形置換実験も現在進行中である。
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