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1990 年度 実績報告書

分子動力学法によるシリカの高密度多形の探索

研究課題

研究課題/領域番号 02640629
研究機関岡山大学

研究代表者

松井 義人  岡山大学, 地球内部研究センター, 教授 (20033128)

キーワード二酸化ケイ素(シリカ) / 分子動力学シミュレ-ション / 地球マントル / 超高圧力 / 構造化学 / 鉱物物理学 / 計算機シミュレ-ション
研究概要

本研究は、地球マントル最下部の鉱物組成の推定に寄与するため、シリカ(SiO_2)の超高密度相を分子動力学(MD)法によって探索しようとするものである。
予定通り最初の仕事として、既知の(ほとんど)すべてのAX_2組成の結晶について、SiO系の非経験的および経験的ポテンシャルを用い、SOー200GPa(300K)でどのような構造に落ちつくかを計算した。Siのように小さなイオンに対しては、基本的につぎの4種の構造しか存在しないようである:1)二塩化ヒドラジニウム構造(すでにわれわれによって“最も高精度のシリカとして提案されているもの)、2)ルチル構造と、これが歪んだ塩化カルシウム構造(これだけが実在が知られている)、3)αーPbO_2構造、4)針方晶系に歪んだZrO_2(バデリアイト)構造。これらの中で、二塩化ヒドラジニウム構造が最も高い密度を示す。
計算物理的に予知されていたルチル型SiO_2のCaCl_2への転移が、東大物性研において実験的に確認されたので、この転移(理論的に2次転移と予測されている)のメカニズムの解明が必要となった。このため上記「しらみつぶし」作戦を一時中断し、目下この転移の研究が進行中である。現在までの予察によれば、この転移は低温で2次相転移であるが、転移圧付近で音響フォノンの一つの波長が無限大になる特異な性質を持つ。このため相転移の物理学においても興味深い。また、CaCl_2型のシリカは、高温高圧(2000K、150GPa)では熱力学的に「最高密度の」シリカより安定である可能性があるため、深部マントルの鉱物として有望かも知れない。
来年度は物性物理学者たちとの共同研究として発展を期している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Tsuneyuki.: "Moiecular Dynamics Study of the α to β Structural Thase Transition of Quartz" physical Review Letters. 64. 776-779 (1990)

  • [文献書誌] K.Kusaba: "Molecular Dynamics Calculation of RutileーFlucrite phasc Transition Induced by Liniaxial Compression" “Shock Compression of Condensed Matter"(S.C.Schmidt et al.,editors),Elsevier Science Publishers. 135-138 (1990)

  • [文献書誌] Y.Matsui: "Molecular Dynamics Study of RutileーCaCP_2 type phase Transition in SiO_2" Proceedings of the U.S.ーJapan Seminar on “HighーPressure Research in Mineral Physics"(Y.Syono and M.H.Manghani,ed.). (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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