研究概要 |
本年度は足型デ-タの収集及び超音波断層画像法を足の成長の研究に適用するための基礎的検討を行った。主な結果は下記の通りである。 1.乳幼児の足型デ-タを縦断的に収集するために、T市S支所における乳幼児定期検診(4ケ月、7ケ月、12ケ月、18ケ月、27ケ月、36ケ月)の機会を利用して保護者に協力を依頼し、ピドスコ-プを用いて左右の足型の写真撮影を行った。その際、身長、体重、ロコモ-ションの発達についても聴きとりによる調査を行った。現在までの収集資料の延べ数はつぎの通りである;4ケ月児:78人(男34,女44),7ケ月児:86人(男49,女37),12ケ月児:107人(男66,女41),18ケ月児:(83人(男41,女42),27ケ月児:75人(男32,女43),36ケ月児:41人(男21,女20),合計470人(男243,女227).現在、得られた画像をデジタイザ-を用いてコンピュ-タで扱える形に変換する作業を行っている。 2.超音波断層画像による足弓形態計測法について検討し、下記の結果を得た。 (1)断層部位が同じであれば、被験者の違いに関係なく同様な画像イメ-ジが得られ、中足部において足底の浅筋群が連続的に観察できた。 (2)反復撮影された画像から得られる超音波計測値の変動係数は中足部(midfoot)において最も小さかった。 (3)超音波計測値とX線計測値の相関は中足部において最も高く、楔状骨部で0.88,舟状骨部で0.84(ともにP<0.001)であった。 (4)超音波値とX線値の差には部位による一定の傾向はなく、前者が後者より2〜6mm小さい。この結果、相対偏差は計測値の大きい中足部で最も小さくなった。 (5)以上により、足弓形態を対象とする超音波計測には、楔状骨から舟状骨を含む断層部位が有効であることが示唆された。
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