研究概要 |
本年度は次の2点を目的に解析を行なった。すなわち、 1.日本人標準集団女子の骨成熟プロセスと比較し、東京の女子の特性を明らかにすること。 2.思春期の成長と骨成熟の縦断研究を行なうこと。 その結果以下の成果が得られた。 1.日本人標準に比較し東京の女子のRUS成熟は速く進行するが、完熟するのは同じ15歳である。Carpal成熟は8歳以後標準とほぼ一致しているが、完熟は1年早く、13歳である。20-Bone成熟は8歳以後標準より速く進行し、とくに11-12歳間で加速する。その後はスピードが緩んで、標準と同じ15歳で完熟する。 2.成長と骨成熟のスプライン平滑化速度を算出し、初経年齢、最終身長との関連を解析した。 1)成長速度の解析:身長増加のピークは11.1歳、体重、胸囲、RUSのそれは11.8歳である。初経年齢は12.4歳で、その時の身長は150.3cm、体重は41.8kg、胸囲は73.6cmである。また最終身長は157.9cmである。 2)骨成熟速度の解析:Carpal成熟のピークの出現は最も早く、9歳である。RUS成熟のピークは初経年齢に最も近く、11歳10-11か月に出現する。 3)成長と骨成熟の関連:身長のピークは初経の1年3か月前、RUS成熟のピークは4,5か月前である。初経の早い少女では、身長とRUS成熟のピーク年齢が低く、ピークの強さ(量)が大きく、初経時の身長とRUSスコアは低い。さらに、最終身長が高い少女はピーク時の身長と初経時の身長も高い。しかし最終身長は思春期の身長成長およびRUS成熟とは無相関である。
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