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1991 年度 実績報告書

晩期巨星型脈動変光星のカオス現象の可視域光度曲線による実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02640641
研究機関国立科学博物館

研究代表者

西城 惠一  国立科学博物館, 理工学研究部, 主任研究官 (90150028)

キーワード脈動変光星 / 長周期変光星 / 脈動白色矮星 / 測光観測 / 光度曲線 / 周期解析 / カオス / デ-タベ-ス
研究概要

本年度は本研究の最終年度であり、主な晩期型脈動変光星の測光観測の継続と、解析の基礎デ-タとなる光度曲線デ-タベ-スの完成を目指し、これらのデ-タから晩期型脈動変光星にみられる不規則性がカオス現象として解釈できるかどうかを実証的に検討した。
まず、観測については国立天文台堂平観測所で昨年に引き続き光電測光観測を行い、ミラ型・半規則型などの長周期変光星についての光度曲線をえた。さらにこれらと比較するため、本年度も非常に短周期の変光を示す、脈動白色矮星の一つ、うお座ZZ星の光電測光観測を続けた。
またデ-タベ-スについては、わが国の過去80年間の100万個以上にのぼる未発表の実視観測を集めたデ-タベ-スを完成することができた。このデ-タベ-スには晩期型脈動変光星のみならず、すベての分類型の約5000個にのぼる変光星の観測デ-タが収められており、本研究のみならず、恒星についての幅広い研究に有用であるので、早急に公開することとする。
以上によってえられた基礎デ-タから、デ-タ数が少なく解析に適さなかった不規則型変光星などを除く、ミラ型・半規則型の脈動変光星とうお座ZZ星にたいして、周期解析や回帰図、次元埋め込み法などの統計的手法をもちいて、これらの変光星にみられる不規則性がカオス現象として解釈できるかどうかを実証的に検討した。その結果、ミラ型・半規則型星については回帰図、次元埋め込み法などでは明確なカオス性は実証できなかった。ただし、カオス性があるとすると、その次元数はミラ型より半規則型が大きいこと。また回帰図からは、いわゆる炭素星が特殊なふるまいを示すことが分かった。さらに、うお座ZZ星についてもカオス性を実証できなかったが、周期変動をとらえることができた。
実証的にえられたこれらの結果は非常に重要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Keiichi Saijo: "On the Return Map of Mira and Semiregular Carbon Stars." Bulletin of the National Science Museum,Tokyo,Ser.E.14. 1-9 (1991)

  • [文献書誌] Keiichi Saijo,Sei-ichiro Kiyota: "Database for Visual Observations of Variable Stars in Japan." Bulletin of the National Science Museum,Tokyo,Ser,E. 14. 11-13 (1991)

  • [文献書誌] 佐藤 英男,西城 惠一,中田 好一,早坂 匡: "岡山,堂平における晩期型脈動型変光星の測光観測" 第二回光・赤外ユ-ザ-ズミ-ティング集録. 138-142 (1991)

  • [文献書誌] 西城 惠一,佐藤 英男: "ZZ Pscの測光観測" 恒星・連星研究会集録. 101-103 (1991)

  • [文献書誌] Tatsuo Yanagita,Hideo Satoh,Keiichi Saijo: "Chaotic behavior and statistical Analysis of Some Mira and SR Stars" Astrophysics and Space Science. (1992)

  • [文献書誌] Hideo Satoh,Keiichi Saijo,Tatsuo Yanagita: "Observation and Statistical Analysis of ZZ Psc" Astrophysics and Space Science. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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