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1990 年度 実績報告書

ヘリウム準安定原子衝突による吸着分子の最外結合・反結合軌道占有状態の検出

研究課題

研究課題/領域番号 02650012
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

西垣 敏  豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60126943)

キーワード準安定原子脱励起分光 / 半導体表面電子状態 / 化学吸着
研究概要

本研究は,従来検出困難であった吸着分子の最外結合・反結合軌道の占有状態に関する知見を得るため,ヘリウム準安定原子脱励起分光装置(既設)に速度制御可能な新しいタイプの準安定原子ビ-ム源の開発,高性能電子エネルギ-分析器と制御回路の製作など,実験条件の整備を本年度の目標にした.このうち,自作予定であった球面反射型エネルギ-分析器は次年度送りとなった.以下,製作した新ビ-ム源の要点を述べる.
まず1keVオ-ダ-のエネルギ-を持つヘリウムイオンビ-ムを引出し,それを200ー10eVオ-ダ-まで減速する.更にこのイオンをアルカリ蒸気中を走らせ,衝突時にアルカリ原子s準位から電子を移行させることによってHe^*1s2s準安定原子を作る.ここで減速電圧を変化させることにより,生成He^*のエネルギ-を変化させることが可能となる.計算機を用いたイオン軌道解析によって減速イオンレンズ系を設計・製作した.アルカリ蒸気密度はるつぼ温度で制御する.三重項He^*を最も効率よく生成させる衝突系としてHe^+ーNaを選んだ.現在予備実験段階であるが,He^+→He^*の変換効率が約10^<ー4>でHe^*フラックス約10^8s^<ー1>cm^<ー2>のビ-ムを得た.問題点として,変換されずに残されたHe^+のかなりの部分が,散乱を繰り返しながらも試料に到達して,表面からの電子放出に寄与していることが確認された.これを除去することが次年度の重要な課題の一つである.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Nishigaki: "Potassium and Oxygen Adsorption Si(100):Local Charge States Probed with Helium Metastables," Vacuum. 41. 632-634 (1990)

  • [文献書誌] S.Nishigaki: "Charge Transfer and Promoted Oxygen Uptake at Alkalated Si(100) Surfaces Studied by Auger Deexcitation of Helium Metastables," Surface Science.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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