研究概要 |
1.直線状セラミックファイバ-の引張り強度の測定 前年度はコイル状ばねの窒化ケイ素とカ-ボンコイルの機械的特性について報告した。 今年度は硫酸マグネシウム学繊維とカ-ボンファイバ-の引張り強度の測定を行った。この単繊結は直径4〜20μm,長さ200〜500μmであり,これを考案した測定装置(軽量カプセルと傾斜台を用いた装置)を用いて測定した。引張り強度は約40kg/mm^2であった。この結果は,セラミックス協会で発表し,論文としてアメリカンセラミック誌に掲載される予定。また,ピッチ系等方性,異方性カ-ボンファイバ-についても引度測定を行った。前者は約100kg/mm^2の強度であった。後者については高温で熱処理することによって,強度は約300kg/mm^2と強くなった。さらにこのファイバ-の高分解能電子顕微鏡観察により格子像を撮ることができた。 2.カ-ボンファイバ-のヤング率の測定 直径3μm,長さ約1mmのカ-ボンファイバ-の試料の上に長さ5μm以下,直径約1μmのウィスカ-を目印として,試料の両端近くにのせる。85°傾斜させた後,カプセルの中へアルミナ粒子100mgを加う,そのつど試料の写真を撮る。印画紙にできるだけ大きく焼付けて,100分の1の精度の読み取り顕微鏡を用いて数点読み取る。 このようにして得られたデ-タ-を右図に示す。点線で示した勾配とSEMで撮った写真から求めた断面積の値から,カ-ボンファイバ-のヤング率E≒9.4×10^3kg/mm^2が得られた。
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