研究概要 |
干渉光を用いて形状を超高精度に測定するためには,光センサの信号出力の雑音強度を低減する必要がある.特に問題となったのがセンサの散弾雑音であったので,対物レンズを低倍化(40倍から10倍に)し,センサ受光面における干渉光強度をあげた.さらに,センサの受光面を大型化し信号強度の増加をはかった.また,センサヘッド内での受光面の配置精度をあげるため,メタルマスクを製作し取り付けたセンサとその受光面位置の変更に伴って必要となった,レンズの位置制御プログラムの開発と改良を行った. 一方,大型部品のうねり形状計測では,測定距離が長くなり計測時間ものびる.この場合,センサ信号の増幅回路の温度による信号ドリフトが問題になった.特にドリフトのDC成分はうねり強度に大きく影響するので,低ドリフト型ICを用いて増幅回路の製作を行った. 本方法では,測定結果が外部振動の影響を一次近似の範囲で受けないような信号処理方法を用いる.しかし,高精度計測に必要なレンズの位置制御を行う上では,外部振動はスム-ズな位置制御の妨げとなり,結果として測定結果の雑音強度をあげた.特にテ-ブル移動用モ-タは回転速度の滅速機構をも含めて大きな振動源となることが分かった.そこで,移動長の長いテ-ブルを設計すると共に,その駆動のための出力強度を持つ市販中の低振動型移動用モ-タを借り出し,その振動特性から,必要なモ-タを選定した. 本計測手法では,差動法によって外部振動の影響を除去した時,測定物の形状に関しては長波長成分が滅衰した形状デ-タが内部に残るこの滅衰率と波長の関係は,光センサの配置位置を基に理論的に求められ,この結果を用いて測定物の形状が復元できる.基の形状を高精度に復元するためのソフトウェアの開発と実験を行った.
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