研究概要 |
酸化ケイ素ビスマス(Bi_<12>SiO_<20>;BSOと略記)結晶の二光波混合による光増幅度をBSO結晶の結晶構造と関連づれて測定を行なうとともに、結晶光学的観点から測定結果の解析をした。 1.光増幅度の二光波混合内角依存性 二光波干渉により結晶内に形成する位相格子の格子間隔は、二光波間の内角に依存し、内角値で13〜15度,格子間隔で2〜3μmにおいて最大の光増幅度を得た。格子間隔と光増幅度の相関はH.Kogelnikの回折理論から説明できることを検証した。 2.二光波照射面と光増幅度 二光波間の内角を14度に固定し、BSO結晶を〈ITO〉軸を中心に回転して得られる光増幅が回転角に大きく依存するという新しい知見を見いだした。 光増幅の回転角依存性は、BSO結晶のもつ屈折率異方性による回折効率の変化から解析できることを明らかにした。 3.直流電界の印加方向と光増幅度 回析効率を高め、光増幅度を大きくするために、二光波混合でフォトリフラクティブ効果により誘起される電場をさらに外部からの直流電圧印加により大きくした。 2.で得られた結果を踏まえ、以下の新しい知見を得た。 BSO結晶を〈ITO〉軸を中心に回転し、光増幅が増加する回転角域では、印加電圧の増加とともに光増幅度は大きくなり、5KV/cm以上で飽和傾向がある。一方、光増幅が増加しない回転角域では、電圧を印加したにもかかわらず光増幅は起こらない。外部場印加による結晶回転角と光増幅との関係は、電場印加方向と結晶内に形成される位相格子の移動方向とに依存することで説明できた。
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