研究概要 |
(1)平成3年度は,2年度のInP/InGaP超格子界面に存在する歪の検出の実験に引き続き,ガスMBE法で作製したGe/Si界面の構造と歪、欠陥の状態を高分解能電顕法及びナノメ-タ-電子回折で研究した。顕微鏡像からはGeとSiの格子不一致による転位が界面に多数存在しかつその分布はマシュ-ズらの理論に示すように等間隔ではないことを見い出した。またこの転位の近傍をGe側からSi側へナノプロ-ブを走査しナノメ-タ-電子回折図形を連続的に観察することにより、界面でGeの格子間隔から,Siの格子間隔に縮む時に各(hkl)面は対称的に縮むのではなく,各々転位との彼置関係に応じて別々の方向に変化することが分かった。 (2)さらに,平成3年度は熱電子鏡を用いた従来のナノメ-タ-電子回折装置の他にNTT(株)との共同御林の一環として電界放射型電子鏡を用いた装置で実験を行った。その結果、電子線プロ-ブの大きさが従来のものと信じ数nmの条件でもナノメ-タ-回折図線中に現われる回折斑点の角度分解能は数倍数上よくなり、半導体歪超格子の界面の局所の単位胞の歪がより正確に測定できることが分かった。
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