研究課題/領域番号 |
02650042
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
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研究分担者 |
岸岡 清 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (50109881)
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キーワード | 画像処理 / 能動型画像処理 / 能動型合成結像法 / 3次元光学伝達関数 / 球面収差補正 / 実時間画像処理 / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
我々は、光学系や観察対象物自体に能動的な「変調」を加え、その結果の「変調された」観察画像を正負荷重付き画像積分することで、必要な情報を抽出する「実時間能動型画像処理方式」を提案している。本研究はこの能動型画像処理方式を光学顕微鏡や電子顕微鏡などの光学系に応用し、従来の「静的」な結像光学系では実現困難であった新しい結像特性を作り出す、「能動型合成結像法」の確立をその目的とするものである。 まず理論面においては、今年度の研究により、能動型合成結像法に関する基本的概念を確立するとともに、結像光学系の3次元光学伝達関数(3DーOTF)に基づく基礎理論を体系づけた。これと並行してこの能動型合成結像法の検証実験における実効的3次元伝達関数(3次元結像特性)の計測を目的とした、デフォ-カス量を変えた多数枚の画像デ-タ収集と高速3次元フ-リエ変換を実行できる画像収集解析システムを製作した。このシステムによって実効的3次元伝達関数の評価が一時間程度で可能になり、以下に述べる検証評価実験に有効に利用されている。引き続き市販の光学顕微鏡を改造して能動型合成結像法の検証用光学系を試作した。本光学系を使用して、照明系照射方向とコヒ-レンス度に変調を加えて結像系の3次元光学伝達関数に変化を与えるとともに、観察対象物の3次元並進移動を組み合わせることで、実効的な3次元伝達関数の合成が可能であることを確認した。一方現在光学顕微鏡に類似した結像光学系である透過型電子顕微鏡についても、本研究で製作した画像収集評価システムを用いて3次元光学伝達関数の評価を試みており、電子顕微鏡分野で初めてその3次元パワ-スペクトルを得ることに成功した。これらの知見から透過型電子顕微鏡においても光学顕微鏡と同様に能動型合成結像法が十分適用可能であるとの結論を得ている。
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