研究課題/領域番号 |
02650047
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高雄 善裕 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30108766)
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研究分担者 |
福田 重久 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (60038544)
肥山 央 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (30038541)
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キーワード | 複合材料 / 損傷 / 界面 / せん断抵抗 / き裂 / はく離 / モ-ドII応力拡大係数 / 積層板 |
研究概要 |
複合材料積層板における層間き裂のモ-ドII型破壊じん性値の研究を行なった。ここでは、破壊じん性値が以下の3要素よりなると考えた。つまり、(1)層界面の表面エネルギ、(2)き裂近傍の損傷への仕事、(3)層界面間の相対的ずれによる摩擦仕事、とした。この考えを基にし、具体的には、層界面間の垂直抗力と摩擦力に注目し、摩擦仕事がモ-ドIIの破壊じん性値に占める割合を数値析及び実験により解析した。他に、剥離に関連した数値解析や実験解析を行った。概要を以下に示す。 (1)垂直抗力と摩擦抵抗を伴うモ-ドII型じん性について。積層構成0/99/0と0/±45/90±45/0の積層板の静的引張試験を考察した。き裂は90度層から発生する。この垂直き裂は0度層あるいは45度層にあたり、界面に沿ったモ-ドII型界面はく離き裂に成長する。このようなT型き裂では、ポアソン効果により、一定程度発達した界面き裂面は一般に閉じる。これにより、界面き裂先端近傍でかなりの垂直抗力→摩擦力→摩擦仕事が発生すると予想できる。この摩擦仕事を含むモ-ドII破壊じん性値を求め、積層構成と積層数が、垂直抗力・摩擦力・じん性値へ与える影響を得めた。 (2)摩擦抵抗について。(1)T型き裂側面に数μmのアルミニウム格子模様を蒸着し、走査電子顕微鏡内で負荷を加え、相対的なずれを計測し、ずれの量からShear Lag理論を適用し摩擦抵抗を求めた。 (3)剥離が存在する場合の積層材料構造安定性、剥離後の摩擦抵抗で荷重を支える複合材料ロ-プ端末部に対する静水圧の効果を求めた。
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