研究課題/領域番号 |
02650054
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00107137)
|
研究分担者 |
岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00134974)
田中 紘一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90143817)
|
キーワード | セラミックス / 窒化けい素 / 疲労き裂 / き裂伝ぱ速度 / ブリッジング / 高温 / 応力腐食割れ |
研究概要 |
平成3年度に得られた結果を要約すると以下の通りである。 (1)K_<max>一定の繰返し疲労き裂伝ぱ試験結果によると、一定のK_<max>値に保持されているにもかかわらず、伝ぱ速度は伝ぱとともに低下し、ついには停留した。ただし、Kレベルが高くK_<IC>値に近い場合には、伝ぱ速度は逆に速くなり、ついに破断に至る。 (2)窒化けい素の疲労き裂伝ぱにはブリッジングを伴っている。ブリッジングのある場合には、それがない場合に比べブリッジングによる応力遮蔽効果に相当する分だけき裂開口端変位が小さくなっていると考えられるので、実測した開口端変位からき裂先端応力拡大係数K_<tip>を求めた。上述のK_<max>一定試験でき裂が停留したときのK_<tip>はKレベルやき裂長さによらず一定値を示し、その値はK漸増試験の下限界におけるK_<tip>の値と一致した。 (3)すなわち、窒化けい素の疲労き裂伝ぱ挙動は履歴の影響を受け、伝ぱ速度は作用するK値により一意には決まらない。これは主としてブリッジングの形成によるものであり、その応力遮蔽効果を考慮したK_<tip>と伝ぱ速度の間には一意な関係がある。 (4)窒化けい素粒界がガラス相の軟化点である1200°Cを越えると、窒化けい素粒の剛体変形が容易となり、き裂先端の高ひずみ領域では引張ひずみの方向に窒化けい素粒の配向を生じるようになる。また、き裂の伝ぱも応力腐食割れにともなうブリッジングの形成と、変形によるブリッジングの破損・解消というメカニズムから、ガラス相のせん断変形をともなった窒化けい素粒の引き抜きへと遷移する。
|