研究課題/領域番号 |
02650073
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 総仁 広島大学, 工学部, 助教授 (50016797)
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研究分担者 |
岡田 達夫 広島大学, 工学部, 助手 (00233338)
畑山 東明 広島大学, 工学部, 助手 (50112181)
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キーワード | ステンレスクラッド鋼管 / メカニカルラチェット / 内圧 / 繰返し軸力 / 繰返し曲げ / 実験 / 繰返し塑性 / FEM解析 |
研究概要 |
ステンレスクラッド鋼管(SUS304/STPG38)について、前年度(平成2年度)に実施した内圧と繰返し軸力が作用する場合のラチェット変形実験に引続き、今年度は内圧に繰返し曲げが重畳するときのメカニカルラチェット変形挙動について実験的検討を行った。また、また、この内圧一繰返し曲げラチェットの弾塑性FEM解析を実施し、実験結果との比較検討を行った。得られた主な結論は以下の通りである。 (1)SUS304鋼の特徴として、内圧ー引張り圧縮ラチェット試験においては繰返し数の増加とともに、ラチェットひずみ速度のシェイクダウンがみられたが、内圧ー曲げラチェット試験においてはみられなかった。また、STPG鋼においてはいずれの試験でもシェイクダウンを示さず、急激なラチェットひずみの増加がみられた。 (2)円周応力および繰返しひずみ幅が増加すればラチェットひずみも増加するという傾向が顕著にみられたが、ひずみ速度による影響は小さかった。また、単一管およびクラッド鋼管試験全般を通して、内圧ー曲げの方が内圧ー引張り圧縮の時よりも大きなラチェットひずみ速度が観察された。 (3)クラッド鋼管のラチェットひずみ挙動は、SUS304鋼の中間の挙動を示し、STPG鋼による急激なラチェットひずみの増加を抑えることが出来た。また、クラッド比をSUS304/STPG38=0.5,1.0の2種類について実験を行ったが両者の顕著な差はみられなかった。 (4)有限要素法を用いて行った解析結果は定性的には、実験結果とよく一致していたが、実験の傾向とは異なりSTPG鋼でもラチェット変形のシェイクダウンを示すなど、ラチェットひずみ進行速度の定量的予測にはまだ不十分な点が残った。これは用いた構成式の精度によるものと考えられ、この点での今後の検討が重要であろう。
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