平成2年度は、開発すべき統合型組立工程設計支援システムの基本となる計算機モデルの整理と、そのモデリングシステムを、設備備品として購入した32ビットパソコン上に開発した。これまでに得られた研究成果は、以下の通りである。 (1)システムの全体構造を、製品モデル分解モジュ-ル、レイアウトモジュ-ル、工程詳細設計モジュ-ル、組みつけ設計モジュ-ル、組立性評価モジュ-ル、作業時間評価モジュ-ルにより構成する構造に決定した。 (2)商用のソリッドモデラ-を機能拡張し、組立状態の記述に必要な部品間の接続、相対運動拘束、公差情報を実体ー関連モデルを用いて統一的にモデリング可能なプログラムをLISP言語により開発した。 (3)(2)で開発されたモデリングシステムにより、組立製品および一部の組みつけ専用機や部品搬送・供給機械の構造のモデル化が行なえることを確認した。また設備の動作状態のモデル表現、ならびに異機械間の動作優先順序関係をも実体ー関連モデルで記述する手法を開発した。 (4)組立対象製品を、産業機械の機能部品の組立に限定し、組立て作業の標準的工程設計手順、および組立て設備設計手順方法に関する基礎調査を、組立設備設計に携わる数社を対象として実施した。 なお(1)(2)(3)の成果に関しては、1990年度精密工学会春季大会ならびに秋季大会にて発表を行なった。
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