本研究の目的は、組立工程設計で必要となる処理を統合的に支援するソフトウェア環境を開発することである。本研究により得られた成果は以下の通りである。 1.組立対象製品および組立設備の構造計算機内での統一的な表現を行うデ-タモデルとしてEAR(実体関連)モデルを導入した。このモデルにより、組立設備の動作、設備間の動作優先順序関係をも記述可能な基本モデリングソフトウェアをLISP言語により開発した。 2.製品組立情報として、各部品のソリッドモデルおよびLISPで表現された部品間接触拘束条件に基づく、製品モデルの組立分解手順生成モジュ-ルを開発し、組立順序の自動生成を可能とした。 3.モ-タ・空気圧シリンダ・ベアリング・リニアガイドなどの機械要素を組合せ、組みつけ動作を実現できる機構のモデリング、および数式処理システムとシ-ケンス制御回路デ-タに基づいその機構の動作シミュレ-ションが可能な組立機械機構モデリングモジュ-ルを開発した。 4.組立セルの制御プログラムの自動生成を目的とした、CASEシステムモジュ-ルを開発した。このモジュ-ルにより、各種センサ-、垂直多関節型ロボット、パ-ソコンで構成される組立セルの部品供給作業を対象とし、デ-タフロ-図による作業の要求仕様分析と構造化設計を行い、制御プログラムのC言語ソ-スファイルを半自動的に生成可能であることを実証した。
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