研究概要 |
今年度(平成2年度)においては,実際のラップ定盤は目切り線を有していることから各種の目切り線を有するラップ定盤を用意し,それと同時に修正キャリヤ側にも各種の目切りを施し,修正時における最適条件を理論的並びに実験的両面より検討した結果,以下の事柄が明らかとなった。 1.目切り溝ピッチ4,12,20mmのラップ定盤と中実及び中空修正キャリヤをそれぞれ作製し,目切り定盤ー目切りなしキャリヤ,目切り定盤ー目切りキャリヤ,目切りなし定盤ー目切りキャリヤの組み合わせで,ラップ定盤及び修正キャリヤの摩耗特性は両者の相対摩擦距離に比例し,作用する加工圧力はラップ定盤の摩耗による時間的変化を生じるものとして解析的取り扱いをした.そして,その結果は実験後のラップ定盤のプロファイル(うねり曲線)とよく一致した. 2.ラッピング加工後の目切り定盤と目切りなし定盤の表面粗さは目切り溝のピッチが減少するにつれてR_a,R_<MAX>共に若干増加する傾向を示した. 3.定盤の半径方に低周波領域の振動を付加できる装置を製作し,長方形の被加工物を用いてラッピング加工をした結果,被加工物のプロファイルは加工前の形状を保ち,定盤のプロファイルも加工前の平坦な面を保つ事が明らかとなった.
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