1.文献調査等に基づく機械要素の抽出 まず、計画通り既発表の文献調査により、マイクロマシンの具体例を集めて、これより機械要素を抽出することを試みたが、まだ、発表例は極めて特殊なものに限定され、本研究に役立つ情報が不十分であることが判明した。すなわち、シリコンで作った静電モ-タ、センサなどのそれ自身が機械要素である例はいくつか見られるが、これらの、用途や応用は明確ではなく、従って、機械要素の体系化としての位置づけも不明確である。そこで、現在、マイクロマシンの開発調査を進めている(社)日本産業用ロボット工業会のマイクロロボット研究開発動向調査専門委員会(委員長 中島尚正)の協力を得て、これから開発されようとしているマイクロマシンの概念構想案を集めて、これを定置型、受動型、自立走行型に大別し、さらに、産業用および医療、バイオ用に分類して、要求される構成要素の共通パタ-ンを抽出することを行なった。 2.機械要素抽出のための詳細設計 上記の概念構想案からは、要求される機械要素の機能はある程度明確化されたが、具体的な構成や構造にかんする情報は十分ではなかった。そこで、上記の概念構想案を体系的に分類し、基本的に構成を異にするいくつかのマイクロマシンについて、詳細設計を行なって機械要素を抽出することとした。詳細設計の対象として取り上げたマイクロマシンは、熱駆動型マイクロエンジン、垂直壁移動マイクロマシン、自律分散型マイクロ潜水艇、血管内走行マイクロマシン、および、医療用態動型インテリジェントカテ-テルである。 上記の詳細設計の結果から、機械要素を抽出し整理することを現在継続中である。
|