1.設計ケ-ススタディにもとづいた機械要素設計法の研究 本研究の当初計画ではマイクロマシン用の機械要素を機能分類して各分類毎に最適な機械要素設計法を体系付けることを意図した。 しかし、マイクロマシンの内外の研究開発例について広く調べて見ても、現状で要素の体系化を進めるに十分な事例が乏しく、可能性のあるマイクロマシンのための機械要素が出揃っている状況にはほど違いことが判明した。中でも、将来の発展が期待されている医療分野用マイクロマシンのための機械要素の構成を具体的に検討した例は皆無に近い。 そこで、生体内利用を前提にして、電気を用いない方法で駆動するマイクロポンプの設計・試作を進めながら、要素設計をふくめたマイクロマシン設計を研究した。 設計・試作したポンプは、光ファイバ-により供給されるレ-ザ-光により作動流体を相変化させて得られる圧力変化によって変位するダイアフラムを、アレイ状にして流路壁に配置したもの。 この設計ケ-スによって、容積可変要素(ダイアフラム)、エネルギ供給要素(光ファイバ)、アクチュエ-タ要素(光熱駆動型アクチュエ-タ)の設計方法にかんする知見が得られた。 2.マイクロマシンのための設計法 上記の生体用マイクロポンプおよびマイクロスタ-リングエンジン、垂直壁移動マイクロマシン、血管内移動マイクロマシン、自律分散型マイクロ潜水艇などの設計ケ-スを手掛かりにして、マイクロマシン特有の設計法を研究してまとめた。その内容を個別に記すとは、スケ-ル解析、拡大模型実験、設計診断、微小空間内レイアウト、開発設計用CAEシステムについてである。
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