磁性流体管内振動流に関する研究の一つとして、U字管内の磁性流体の振動特性についての研究を行った。その結果、1.振動数に対する振幅の減衰比を実験により求め理論値と比較した結果、磁性流体プラグの磁極付近での流動特性が管内振動流特性に大きな影響を与えることが明らかとなった。2.次に、U字管内径を変えて実験を行い、最大振幅時の共振振動数は管内径の変化に関してある値で最大値をとることを明らかにし、さらに理論的考察を行い、最大振幅時のプラグ長さによる変化は定性的には実験結果と一致することを明らかにした。しかしながら、実験により得られた最大振幅特の振動数は管直径の影響を強く受け、またそのときの振動数も理論値よりも大きくなるという結果を考慮して、減衰係数及びプラグの損失係数を検討した結果、プラグ内流動には摩擦損失以外に内部流路の変化によると考えられる損失が生じることを確認した。 上記の結果はいずれも磁極近傍の磁性流体内の磁性粒子の凝集が原因となり、これが管内振動流に大きな影響を与えるものであるとの予想のもとに 3.断面10mm×0.5mmのアクリル製矩形流路を用いて、静止時および振動時のプラグ内磁性流体の可視化を行い、磁極近傍に磁性粒子の凝集によると考えられる絞り部が形成されること、またその形状が静止時と振動時では異なることを確認した。さらに精密な測定を行うために、4.磁気光学効果測定装置を用いて上記の矩形流路内の磁性流体中の光の透過度と偏光成分をしらべた結果、これらは磁場の分布と強さによるプラグ内の磁性粒子の数密度分布により変化することがわかった。この実験に関しては継続中である。
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