研究概要 |
現在,太陽エネルギの利用は,熱として利用する方法と,電力に変換して利用する方法が主になっている.しかし,電力のみに変換する場合,太陽電池の変換効率は通常10%前後と低く,残りは熱として大気中へ放出している.そこでこの熱を回収できればシステムのエネルギ変換効率は向上する.これまで,光・熱ハイブリッド型コレクタおよびシステムに関し,国内外において,平板型液体集熱式,平板型空気集熱式,集光型液体集熱式およびスペクトラル・スプリット方式等の研究例が報告されている.ところが,光・熱ハイブリッドコレクタの性能を左右する集熱部に関する伝熱特性の改善は十分なされておらず,この方面の基礎的研究が必要となる. そこで本研究においては,これまで当研究室で進めてきた集光型光・熱ハイブリッド式コレクタについての研究成果を踏まえて,平板型空気集熱式コレクタの集熱特性を改善すべく,小型低速吸い込み風洞の設計製作を行い,層流流路内の速度分布の計測をLDVを用いて行った所,試作した風洞の二次元性が十分実現されていることを確認した. 今までの基礎的研究によって,層流状態で流れている流路に乱れ促進体として外径8mm,高さ50mmの円柱を,流れに垂直に設置し,その際の円柱後方の流れに生じた渦を,線香を用いて可視化した所,その流れは三次元的に物体を覆って流れることが分かった. 今後は,各種乱れ促進体による層流伝熱促進の詳細について研究が必要であろう.
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