| 研究概要 |
現在太陽エネルギ-の利用は電力へ変換する方法が特に注目を浴び始めているが、太陽エネルギ-で太陽電池が直接加熱されると,過熱による温度上昇のため効率変動は20%前後低下するといわれている。そこで太陽電池を直接冷却することで,この熱エネルギ-をも回収できるならば,太陽エネルギ-利用システムのエネルギ-変換効率は飛躍的に向上するだろう。また,太陽電池を熱劣化から保護するためにも最適な方法でもある。こうした理由から光・熱ハイブリッドパネルの研究を進める必要がある。しかし、利用上どうしても低速となり易い空気集熱コレクタの伝熱特性に関する研究はまだ十分ではないようである。そこで本研究は頂面加熱・底面冷却を受ける傾斜層流流路の流れの可視化と伝熱特性を実験的に解明することを目的として基礎研究をおこなった。
空気集熱ソ-ラ-・パネル内部の流路は頂面が加熱され,底面が冷却を受けた状態となっている。この場合,頂面側の加熱条件は熱流束一定,底面側の冷却条件は壁温一定と考えて支障ないよいようである。このとき,流路は自然対流の影響を強く受け,強制対流のみによる流れとは異なった。自然対流と強制対流の共存した場として扱う必要がある。また,光・熱ハイブリットパネルの性能は流路の伝熱特性によるところが大きい。
以上のような観点から,本研究は頂面加熱・底面冷却をうける傾斜層流流路内の伝熱特性におよぼす自然対流の影響を以下の点を目的に明らかにし,次の結果を得た。
(1)伝熱面の熱伝達係数に対する頂面と底面の温度差および傾斜角度の影響は両者が増大すると顕著である。
(2)空気出力熱量および頂面温度に対する頂面加熱量および傾斜角度の影響は自然対流により増大した。
(3)流路内速度分布に対し頂面と底面の温度差および傾斜角度は頂面側流速に大きく影響した。
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