沸騰熱伝達現象に影響を与える因子として、サブク-ル度が上げられることは良く知られている。本研究では細線を取り上げて、その影響について実験により研究した。最初に、飽和沸騰のおける線径の限界熱流束に対する影響を調べるために、沸騰曲線の実測及び限界熱流束の実測を行った。その結果、無次元半径が大幅に減少する傾向が確められた。次に、サブク-ル度の影響を調べるために無次元半径0.02と0.04の2種類の細線を用いてサブク-ル度の影響を調べるために、沸騰曲線の実測及び限界熱流束の実測を行った。その結果サブク-ル度が47.5度までは限界熱流束が、サブク-ル度にほぼ比例してゆく傾向が得られた。さらに、サブク-ル度が増加しても限界熱流束の値が増加することなく、ほぼ一定値になることが明らかになった。また、沸騰の様相の観察も行った結果、サブク-ル度が20度以上になると核沸騰の状態で線の全長から微細沸騰が見られた。
|