研究課題/領域番号 |
02650178
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械力学・制御工学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
伊藤 廣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40115100)
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研究分担者 |
安部 雅二朗 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60212552)
永澤 茂 長岡技術科学大学, 工学部, 講師 (40198312)
丸山 暉彦 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016646)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 雪氷 / 雪氷力学 / 動摩擦抵抗 / 摩擦 / 潤滑 / 滑雪速度 / 雪温度 / 雪の接触圧力 |
研究概要 |
降雪地域において使用される機械構造物や除雪機械等の開発、設計を行うためには、雪と各種材料板の動的相互作用を知ることが重要である。本研究では、従来、不明な点が多いこの動的相互作用を機械力学、弾塑性力学の視点から考察し、その理論的、実験的解明に先鞭をつける。このように機械工学の視点より雪氷を考察する科学を雪氷力学と呼び、その一環として雪氷の潤滑に関する研究を行う。 実験は、降雪地域で使用される材料板を対象として、雪とこれらの板との動摩擦抵抗に影響を及ぼす因子の中で重要であると考えられる滑雪速度、雪の温度及び雪の接触圧力に着目し、動摩擦抵抗を測定した。実験結果より、動摩擦抵抗は、滑雪速度、雪の温度、材料板の表面粗さ及び材料板と水滴の接触角の影響を受けることが確認された。 これらを動力学及びトライボロジの立場から考察した結果、動摩擦抵抗は表面の凸凹による抵抗、凝着部のせん断による抵抗及び水膜の粘性抵抗の合力によって生じるものと考えられる。また、これらの考察結果をもとに、雪と材料間の潤滑モデルを境界潤滑、流体潤滑、混合潤滑の三状態に対して提案した。 本報告書では、この潤滑モデルを用いて、動摩擦抵抗に関する理論式を導き、理論値と実験値を比較検討することにより、理論の妥当性を確認した。さらに、得られた理論に基ずく解析から材料板が各種条件下でどのような滑雪状態にあるかを示した。本理論を雪氷の影響を受ける構造物などに適用すれば、しばしば問題となる滑雪性の定量的評価が可能となる。
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