本研究は、油圧とエレクトロニクスとの融合化に資するシステムと要素の開発を主目的とするが、今年度に行った研究の経過はおよそ次のようである。 1.実機システムの製作:2個のON/OFF高速電磁弁と4方案内弁とを一体化構造にした弁(ディジタル弁)を製作し、これに油圧シリンダを接続してサ-ボ系を構成した。本ディジタル弁の制御は、コンピュ-タによって差動PWM法に基づいて行われる。 2.システムの動特性および応答性能をステップ応答実験によって調べた。 3.システムの数学モデルを構成し、これをもとにシステムの動特性シミュレ-ションを実施した。そして、シミュレ-ション結果と上記実験結果との比較検討を行った。 以上の検討結果は次のように要約される。 1.ステップ応答実験によれば、高速・高精度の制御結果がえられ、本ディジタル弁、およびこれによって駆動される油圧サ-ボ系の有用性が明かとなった。 2.システム内に存在する各種の非線形特性(具体的には、案内弁の流量・圧力特性、シリンダに作用する摩擦特性など)を考慮に入れた動特性シミュレ-ションの結果は実験結果とほぼよい一致を示し、本研究で用いた数学モデルの妥当性が確認された。
|