研究概要 |
1。構造の簡素な適応制御系設計手法の開発 従来の適応制御手法より構造がいちじるしく簡素なSimple Adaptire Control(以下SACと畧称)はSabelらにより始めて提案されたが,その適応範囲は著しく限定されていた。本研究ではまずフィ-ドフォワ-ド補償の導入によりその適用範囲が大巾に改善されることを示し,同要素の一般的な設計手法を確立した。また,外乱や非線形性要素に対しロバストとなるロバスト適応機構を付加することで外乱等に対するロバスト性が大巾に向上することを示した。その結果,追従モデル次数を任意に選ぶことができ,寄生要素及び外乱の存在に対し従来の適応制御手法よりはるかに構造が簡単でかつロバストな適応制御系の構成が可能となった。上記の結果は,安定性証明,フィ-ドフォワ-ド補償の設計法,ベンチマ-クテストによる制御性能確認等に関してまとめたものを計測自動制御学会に投稿している。また,国際論文誌へも発表を予定している。 2。SACのサ-ボ系への適用 上述の成果をロボットア-ムの位置制御を対象としたサ-ボコントロ-ラ構成に応用し,DCサ-ボモ-タ系に関しては負荷変動に対し従来のPID制御方式よりもはるかにロバストでかつ追従性能もよいことを確認した。この結果は現在日本機械学会論文集C編に投稿中である。また,ダイレクトドライブ方式のサ-ボ系にも適用し良好な結果を得ている。この成果は学会への発表を予定している。なお,上記のサ-ボコントロ-ラは市販のサ-ボドライバにパソコンを外づけした実験室レベルでのプロトタイプである。この専用ボ-ド化についても検討している。
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