cーC_4F_8ガスの現段階で最も妥当と思われる電子衝突断面積のセットを編集して、SF_6との混合ガス中における電子輸送現象を解析した。その結果、初めてこの混合ガスの絶縁耐力にsynergism(相乗効果)があることを見出し、論文にまとめ投稿した。この論文は受理され、現在印刷中である。すなわち、この混合ガスの絶縁耐力は構成ガスのそれよりも高く、80%のcーC_4F_8混合ガスで最大値を持ち、この原因はcーC_4F_8混合ガスで最大値を持ち、この原因はcーC_4F_8の振動励起衝突によってエネルギ-を失った電子群がSF_6^ーを形成する電子付着衝突を起すことによることを明らかにした。 また絶縁耐力で明らかな相乗効果を見せたSF_6とcーC_4F_8混合ガスの欠点を克服するために、安定でしかも絶縁ガスとして比較的優れている窒素ガスをバッファとして加えた場合の電子輸送係数の解析も手掛け、デ-タの蓄積を行った。現在デ-タ整理を行いつつ、不足部分の解析を進めている。デ-タが充分に揃った段階で、論文にまとめ投稿する予定である。 測定装置の計算機を更新し、XYプロッタを加えたことによって発光検出に関するデ-タ処理速度が格段に向上した。それにともない、主に窒素ガスのグロ-放電を対象にして、装置のシステムを構築しなおした。発光検出系の波長依存性を測定し、得られる発光プロファイルデ-タの補正係数を導出した。これによってこれまでに得られている膨大なデ-タをデ-タベ-ス化して統計処理を施した。それらの結果を並行しているモンテカルロ法による結果と比較した。いくつかのバンドの発光プロファイルは互いによく一致していることが確められたが、発光強度に関する一致は充分とはいえないことがわかった。この点を解決すべく、測定、計算の両面から検討をはじめている。
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