研究概要 |
前年度に試作した電流追従形三相インバ-タの改良とそれを用いた実験的検討及びパ-ソナルコンピュ-タを用いたシュミレ-ションにより下記の結果を得た。 (1)インバ-タの改良について 電流容量が大きくしかも高速スイッチングが可能な半導体デバイスIGBTが最近になって入手できるようになったことに伴い、インバ-タを構成するスイッチングデバイスをパワ-MOS FETからIGBTに変更した。しかし、これに付随してドライバ回路をも新たに製作する必要が生じたことと、新デバイスの使用法に不慣れであったために装置改良に予期した以上に時間がかかり、モ-タの駆働実験が殆ど行えなかった。しかし、この装置改良の過程において、インバ-タの直流電源として適した整流回路を考案し、実際に装置を製作して実験したところ良好な結果が得られた。この回路は,1)低いスイッチング周波数で動作し、2)装置が比較的小型にでき、3)限られた範囲内ではあるが整流回路入力端電圧の位相調整が可能で,しかも、4)入力電流波形歪みが小さいという特長を持っている。 (2)インバ-タによる駆動実験について 上述の理由で実験的検討は十分には行えなかった。検討した範囲内では、不平衡吸引力抑制のために注入した電流成分の駆動トルクへの影響が予測以上に大きくなり,良い結果が得られなかった。しかし、実験装置もほぼ完成したので、今後も本研究を続行する予定である。 (3)コンピュ-タシュミレ-ション 前年度得られた効果の程度は、現在行われている固定数巻線の並列接続などの対策を行った場合と変わらないことが今年度の検討からわかった。このように当初の目的に対して否定的な結果しか得られなかったが、2組のインバ-タを使用する解決策も残されているので引き続き検討を行う計画である。
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