研究概要 |
高速ストリ-ク管、高感度CCDカメラ、マイクロコンピュ-タなどを組み合わせてストリ-ク光像測定・画像処理システムを構成した。そこで放電光強度の定量的取扱に関する基礎研究として、このシステムを用いて、インパルス電圧または交流電圧を棒対平板電極系に印加した場合の大気中およびSF6ガス中における放電光の時間進展過程を測定した。これらの記録光像にデジタルデ-タ処理を施し、光の空間的・時間的輝度分布および輝度積算値の波形などを導出した。 一方,ガス絶縁変電所における微弱放電検出システムの開発のために、空気中およびSF6ガス中において絶縁物表面の近くにギャップがある場合の、放射放電光をこのシステムを用いて測定した。 これらの結果は、正コロナ光の進展距離に、空気中とSF6ガス中との間の顕著な差があることを示した。空気中では、この絶縁物表面がコロナの開始や正ストリ-マ進展路に影響をもつが、SF6ガスの場合ではこの影響は僅かである。なお、放電光の発光波長スペクトル分布の測定結果では、空気の場合、気中放電と沿面放電との間に相違がみられたが、SF6ガス中では顕著な相違は見いだせなかった。 これらの測定光強度は輝度階調で表すことが出来るが、この値は、種々の測定条件や用いた装置の特性などによって影響を受ける。したがって、放電現象の定量的研究のためには、この輝度階調と放射光子密度との関係を明かにする必要がある。そこで、光像測定・処理装置の校正用光源としてハロゲン分光放射標準電球を用い、短ギャップ放電による放射光子数を導出した。
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