研究概要 |
現在,自動車電話をはじめとする移動通信の利用者が急増している。今後,これはさらに増加すると考えられるが,一方で移動通信に利用できる周波数帯が限られていることから,周波数の有効利用がより重要な課題となっている。これに対応する技術としてセルラ-方式があり,この方式では各セルにチャネルをいかに効率良く割当てるかが周波数の有効利用にとって大切である。チャネルの効率よい割当方法にダイナミックチャネル割当法がある。ところが,このチャネルの割当法はチャネルの割当に極めて計算量がかかり,短時間に実行するのが難しかった。 本研究はこの問題をニュ-ラルネットワ-クを用いて高速に解く方法の開発を行うことを目的とする。 本年度は,以下の3つを中心に研究を行った。 (1)チャネル割当問題に対するエネルギ-関数の導出 (2)初期値(定数)の決定 (3)誤り検出法の考察 セルラ-移動通信系のチャネル割当問題にホップフィ-ルドのニュ-ラルネットを適用する場合の最も重要な,エネルギ-関数を導出した。このエネルギ-関数の中には3つの定数が含まれているが,この定数の最適値を求めるために,種々のセルラ-移動通信系について,コンピュ-タシミュレ-ションを行った。このコンピュ-タシミュレ-ションのために購入した設備であるコンピュ-タを用いた。セル間の電波の干渉を従来の固定チャネル割当法に基づいたモデルでは,この3つの定数は同一定数の場合,種々のセル構造において良好な結果を得ることが分かった。ニュ-ラルネットの適用がチャネルの利用効率を向上させるのに有効であることも,ある程度確認できた。
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