研究課題/領域番号 |
02650250
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
山口 尚 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80064476)
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研究分担者 |
奥村 善久 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30139745)
水澤 丕雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20199996)
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キーワード | 地震予知 / 地中電波伝搬 / 電波雑音 / 電磁放射 |
研究概要 |
1.大地・大気・上空電離層における電波伝搬に関する資料・文献の調査と内容分析 大地に相当する導電性(損失性)媒質中に電波発生源を想定した大地・大気に相当する2層媒質空間中の電波伝搬の基礎理論を記述した論文は1950年代からみられるが、理論式が難解なためその後、多くの研究者によって式の近似・簡略化が試みられている。しかし、当研究で必要な数値計算例や理論式の妥当性を裏付ける実験資料はみられなかった。また、電離層に相当する媒質も加えた3層媒質の問題でも同様であった。 2.他の研究機関で得られた地震に伴う異常電波雑音観測デ-タと関連資料・文献の収集と内容分析 観測は1970年代から始められ、ソ連、日本、仏、米、ギリシャなどからの論文が近年増加しつつある。観測周波数帯は、当初は数MHzから数kHzであったが、近年は数kHz以下DCまでの極低周波数帯の観測に重点が置かれている。観測点は、地表面近傍の地上・地下、および電離層中であり、多点同時観測も行なわれつつある。観測物理量は電界(または電位差)または磁界であるが、他の外来雑音との分離が課題である。 3.伝搬モデルの設定、理論式の導出、数値計算、予備実験 地中に波源を想定し、大地を均質な導電性媒質とした単純なモデルを設定し、地中や地表面付近の電磁界強度を算出するための近似理論式を導出した。数値計算により、地中から到来する電波の地表面付近の反射・透過特性は、大気中から到来する電波のそれと比較して、幾つかの異なる特徴を有することが判明した。これらの妥当性を検証するための縮小モデル実験(平成3年度予定)の準備として、標準信号発生器、広帯域RFパワ-アンプ、送受信用小型アンテナ、スペクトルアナライザ-などで送受信系を構成し、電波放射の予備実験を実施中。
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