研究概要 |
(1)研究の発端となった剰余パタ-ン生成原理を解析して,根本的なパタ-ンの組合せによって表現する方法に発展させた.剰余パタ-ンは論理合成した2変数合同式の解グラフと見なすことができる.これは理論的な基盤を与える重要な成果で,整数論が直接適用できるようになった。 (2)理論的な解析は空パタ-ンの発生を防ぎ,可能な全パタ-ンの生成を保証するために必要である.これによって,素数周期の模様が生成可能になった.また,審美的評価のためにランダム生成して調べているが,空パタ-ンを生成しやすい周期,生成関数でも非空パタ-ンのみを選択生成できるようになった. (3)一方,3変数の関数を用いて立体的に生成した模様の断面を取る方法によって3軸対称のパタ-ンが生成できた.2変数の関数で表現することも可能であるが,その分だけ繁雑で技巧的な式になり,直接導出することは困難だったであろう. (4)これらの技法をプログラムに組んでパタ-ンを自動生成し,生成パラメ-タと結果パタ-ンの構造と美的評価の関係を考察し,若干の実験的知識が得られた.この実験的ガイドラインを利用して,模様を試作し,美的価値のある白黒パタ-ン約40種を得た. (5)この他に,多解像度の模様を重ね合わせる方法などのディジタル・グラフィックスに特徴的な技法の開発を試みているが,美的価値のあるパタ-ンを生成するには,まだ試行錯誤が必要である.
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