研究概要 |
多変数剰余関数が作るパタ-ンの模様デザインへの応用法を研究し,以下の成果を得た. 1.生成パラメ-タと形態の関係:剰余関数が作るパタ-ンは本質的に類推因難であるが,これでは利用上の便宜を欠く.次の指針が有効であることを確認した. (1)1次剰余関数の論理合成に分解可能なものは格子を生成し,デザイン上の効果もはっきりしている. (2)パタ-ンのOR合成を行う場合の元素パタ-ンの数は,デザイン上黒さの度合いと散布模様になるか連結模様になるかの違いに関係している.適切な数の,周期に対する比は25%〜40%である. 2.配色理論:これは問題が複雑で研究の先例もないことや,出力機器の色価制御性能の低さによって有効な試行錯誤ができず,残念ながら未完である.しかし,配色なしにカラ-模様はできないので,LUT方式を生かすように適宜配色してユ-ザが調整する方法を工夫した. 3.実用化:実際に運用できるように,生成の原理および経験的知識をプログラムまたは制作技法の形に纒めた.ジャギ-ネスの抑止のために平滑化輪郭形成と塗り漬しを技法として取り入れた.これによって模様の質が向上した. 4.模様の試作:実際にデザイナが利用する形で制作を行ない,約200点の模様を得た.うち5点は拡大してAO判程度に貼り合せ,実用の場面(壁紙,インテリア・デザイン,床材)に置いて評価した.研究成果報告書には単色46点,カラ-36点の模様を載せた.質の面では,中程度のデザイン・ソ-スブックと同程度の水準に達した.
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