| 研究概要 |
本研究では,コンピュ-タグラフィクス(CG)による表現が困難な自然物体を,対象によらず汎用的に取り扱うことができるCG映像作成システムを開発することを目的として研究を行っている.
本年度の研究成果を列挙する.
1)セル・オ-トマトンによる記述手法の確立
本研究では,オ-トマトンが格子状に並んでいるセル・オ-トマトンによって物体を記述する手法を用いる.そこで,ここではセル・オ-トマトンの属性と状態数,遷移規則などを変えることによって,さまざまな自然物体を表現するための基礎的な考察を行った.
2)固体の自然物体のCG映像の作成1
自然物体の具体的な記述の最初の例として,山,岩石など,複雑な形状の剛体を表現する手法を開発した.ここでは,複数の断面デ-タから元の立体を構成する手法,等高線およびフラクタル次元を用いた凹凸の多い立体の表現手法を開発した.また,これらの手法をセル・オ-トマトンによって構成する手法を検討した.この場合は各セルの位置は変化しないでセル間の凹凸度を示す属性が局所的に異なるモデルを用いた.
3)固体の自然物体のCG映像の作成2
布,髪の毛など,柔軟な構造をもち形状が時間的に変化し得る固体を表現する手法を開発し,これらをセル・オ-トマトンによって記述する手法を検討した.これらの物体の場合は,セルとセルの間の方向ベクトルを示す属性を変化させることによって対応した.
上記の研究成果から,本年度の研究目標は十分に達成できたと考える.研究成果のいくつかは学会誌などにすでに発表済みであり,未発表分についても順次公表する予定である.
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