研究概要 |
本研究の目的は,計算機を用いて山,樹木,布,雲,炎などの自然物体のコンピュ-タグラフィクス(CG)映像を作成する汎用システムを作成することである。本研究では,物体のモデリングにセル・オ-トマトン用いている。昨年度は,気体,液体および固体をセル・オ-トマトンで表現するための方法について検討した。本年度は,各種CG映像の作成を中心にして,次に示すような研究成果を得た。 1)固体の自然物体のCG映像の作成:樹木や布など,固体の中で形状の空間的および時間的変化をともなう物体のCG映像を作成する手法を確立した。山や岩のような剛体よりも,大きなセル間の相互作用の与え方,セルに対する外力の与え方などを検討した。 2)液体の自然物体のCG映像の作成:水や海などの液体に適したセル間の相互作用について検討し,液体の粘性の違いや,形状の時間的変化などについて考察した。 3)気体の自然物体のCG映像の作成:雲や炎などの気体を表現するCG手法を開発した。セルに対して,単純な遷移規則を与えて,気体の全体としての流れのように大規模な構造を表現することができた。 4)システムの統合と本研究のまとめ:これまでに得た成果をまとめて自然物体のCG映像作成汎用システムを試作し,ユ-ザとのマンマシンインタフェ-スについて考察した。 上記の研究成果から,本研究の研究目標は十分に達成できたと考える。研究成果のいくつかは学会誌などをすでに発表済みであり,未発表分についても順次公表する予定である。
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