研究課題/領域番号 |
02650261
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
富田 悦次 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40016598)
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研究分担者 |
横森 貴 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60139722)
武田 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
高橋 治久 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90135418)
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キーワード | ニュ-ラルネットワ-ク / クリ-ク / アルゴリズム / ボルツマン機械 / nークィ-ン問題 |
研究概要 |
1.逐次探索方式によって出来る限り最大に近いクリ-クを抽出するため、いくつかのヒュ-リスティックな方法を考察・組合せ、節点数の3乗オ-ダ時間計算量の近似アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは計算機上に実働化して、大量の対象グラフに対してクリ-ク抽出実験を行い、解精度、即ち、(抽出された極大クリ-クの大きさ)/(そのグラフの真の最大クリ-クの大きさ)が少なくとも0.85以上となることを確認した。更に、この近似アルゴリズムの解精度を向上させるためのいくつかの試みも行ったが、そのいずれの場合にも、時間計算量が多項式オ-ダとの保証はできなくなる。 2.Boltzmann機械の概念を基礎とするが、アニ-リングを行うことなく、局所最適解から容易に脱出し易い様なエネルギ-関数を考案し、解の探索を繰り返すことにより、逐次より最大に近いクリ-クを抽出結果として出すアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、前記1の近似アルゴリズムとできる限り平等な立場で実働化して比較実験を行った。その結果、同程度の実行時間をかけた場合には、前記の節点数の3乗オ-ダ時間計算量の近似アルゴリズムによるのと同等あるいはその以上の解精度を得た。更に、解探索の反復を行うことにより、時間計算量の多項式オ-ダ性を保ったまま、この解精度を逐次改善していけることを確認した。理論的にも、対象をランダムグラフとした場合に、この様な解の改善が図られる根拠の見通しを得た。 3.nーqueen問題は最大クリ-ク抽出問題の特別の場合として定式化することができる。そこで、前記2の方法を用いることにより、nーqueen問題の1つの解を求めることが、従来のシミュレ-テッドアニ-リングを用いる方法による場合に比べて2桁〜3桁以上高速に実行できることを実験的に明らかにした。
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