研究概要 |
機械の設計は(1)使用部品が既知の場合と,(2)部品集合は既知、(3)部品集合が未知にまず分けられる.(1)の場合は設計対象の機能が未知であっても使用部品を使い尽して何らかの機能が得られれば設計は成功したといえる.しかし(2)(3)では目標とする機能が与えられなくては設計不能となる.本年度は(1)の場合について研究を行った.ただ部品が既知であるとしても,部品の組合せ,組合せの程度(ネジを少し挿入するのか締結するのかといった挿作量),組立て操作の順序の自由度から,機能する機械の探索空間は非常に大きくなる.そこで組合せとその順序を与えることにより機能する機械を,操作量の空間内で探索する間題について考察を行った.具体的には組立方法をシステムに提示して,機能物体をシステムに組立てさせる実験を行なった. まず使用される部品の名称と3次元のソリッドモデル記述を準備し,英文の組立て指令文を解析した結果を,ソリッドモデルと組立操作の知識とを用いて,基本組立指令(組立対象物に対する被操作対象部品の平進・回転移動量の記述)の順序列に展開する.次に各指令を組立てシミュレ-タ(衡突検出プログラム)によって模擬し,操作後の部品間の関係(固定接続,円柱接続,接触接続など)をもとめる. 一連の指令の実行後の部品間の接続関係をもとめ,機械要素間に期待すべき接続関係と反する部分があれば,その原因となる組立操作をもとめて知的バックトラックを行う.これにより指令の解釈誤りを認識することが可能となり,類似した状況での指令の解釈法の学習が可能となった。
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