研究概要 |
機械の組立手順をシステムに与える時,部品間の接続条件が正しく理解されていなければ、組立てられた物体が正しく機能しないことは明らかである.この点に関して我々は機械の組立説明書から正しい組立指令を抽き出し,指令にそった組立シミュレーションを行うシステムを作成して来た.このシステムでは入力文は誤っていないことを前提としているが,実際に我々がシステムに与える指令の内には誤まった指令や本来与えておくべき条件設定が抜けた指令が存在すると考えられる.この点を考慮した対話的組立支援システムを作成した. 一般に組立てを計算機に行なわせる際には組立目標の記述が与えられ,目標を達成するプランの作成が試みられる.しかし実際の部品の記述を誤りなくシステムに与えることは容易ではない,しかし組立を教示する者にとって,ある組立操作の実行後にどのような接合状態が得られるかは既知である.しかしその既知の状態を記述するのが困難なわけである. そこで本研究のシステムでは,ある組立操作後の状態の詳細をコンピュタグラフィクスを用いて表示させることとした.隠面消去による描画では内部の接合関係の目視ができないため,組立操作によって組み付けられた部品と接合面を共有する部品群の関係を隠面消去された描画へ描き加えることにより,視認性を向上させることができた. このようにして,本来正しい操作の記述に瞹眛性がある時にはシステムが自動バックトラックして妥当な解釈を,与えられた操作が誤っている場合は組立不能状態まで組立てを行ない,与えられた操作に条件漏れのある場にはその条件を加えることにより,組立を模擬し評価することが可能となった。
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