研究概要 |
機械の組立方法をシステムに学習させるためには,どの部品をどこに組付けるかを正確に教示できる部分システムが必要である。正しい組立手順の指示のためには指示者の意図が明確に表現できる言語の設定が不可欠である。本研究では図面と自然言語を用いることにした。この際問題となるのは,図面の取扱いである。そこで(1)図面に出現する部品の形状や機能のモデルが既知である時,(2)図面を解析することにより出現部品のモデルを推定させる,という2つの状況説足を考えた。(1)の場合,組立の対象,操作,その限界を言語表現から抽出し,与えられた部品を指定された状能に配置した結果を2次元平面に投影し,指示者の意図通りの組立状況の確認が行なえるようにした。特に内部構造を視認できるように,組付けた部品と接触関係をもつ部品を含む面での断面図の表示により,機構のチェックも可能とした。(2)の場合は,(1)の仮定がとり除かれているため,部品の詳細な形状の取出しが説明文の手伝けを受けて始めて可能となる場合が多く出現した。その一例として複数のネジを挿入するといった部位のみが変化する操作は図面ではその内の1つが例示されているに過ぎないが,説明文では複数名詞や副詞の使用が繰返しを明示しているため,相関の高い部分図形の探索域が限定され,結果的にすべての部位を発見することに成功した。(1)に比して(2)は機械部品モデルの精度が悪いため,組立てのシミュレーションが困難である。この点に関してはモデルと照合する実部品をみつけることにより,2.5次元モデルの3係元化を行なった後に組立てを模擬する予定である。 学習及び設計学習については,事例ベース化する程に大量の組立例を取扱うことができなかったため,今後の問題として未解決である。
|