研究概要 |
本年度に得られた研究成果の概要を次の1〜4にまとめる。 1.配線遅延を考慮した配置手当の開発:回路の大規模化に伴う配線遅延の回路遅延に占める割合の増加に対処するため,配線遅延を考慮したゲ-トアレイ配置手法を開発した。本手法は与えられたタイミング制約を満たす配置をグラフ分割アルゴリズムに基づいて高速に求めることが可能であるという特徴をもつ。 2.並列アルゴリズムシミュレ-タの改良:昨年度開発した並列アルゴリズムシミュレ-タに対し,シミュレ-タの入力である並列処理記述言語のコンパイラを改良し,より高速なシミュレ-ションを可能とした。更に,シミュレ-タ本体を改良し,バスサイクル数等のハ-ドウェアパラメ-タを任意に設定可能にした。 3.並列グラフ分割アルゴリズムの評価:フロアプランニングおよび配置設計における基本的問題であるグラフ分割に対して昨年度提案した並列アルゴリズムについて,理論的および実験的に評価を行い,有効性を確認した。これより,1の成果と組み合わせることにより配線遅延を考慮した配置を高速に求めるゲ-トアレイ配置手法が構成可能となった。 4.並列最小木構成アルゴリズムの評価:配線設計の基本的問題であるグラフの最小木構成問題に対応し,並列アルゴリズムを並列シミュレ-タ上に実現し,アルゴリズムの評価を行うとともに,レイアウト設計手法における並列処理の有効性を確認した。
|