1.光パラメトリック発振器を用いた相関光子対の発生 アルゴンイオンレ-ザ(波長514.5nm)をポンプ光源とし、KTP結晶を用いたパラメトック発振器の設計を行った。KTP結晶には、モノリシック共振器構造を仮定した。このとき、共振器の光軸とポンプ光の入射角を制御することにより、信号光とアイドラ光の両方に対して共振条件を満足できることが示された。 この設計に基づき、KTPモノリシック共振器を試作した。共振器長は2cm、信号光およびアイドラ光に対する反射率は、ポンプ光入射端面で100%、出射端面で98%である。現在、相関光子対検出に向けて、ポンプ用アルゴンレ-ザの周波数安定化などの準備を進めている。 2.光整流効果を用いたショット雑音の検出 KTP結晶を横型光変調器として動作させ、その光整流効果によってレ-ザ光の光子数を非破壊的に読み出すシステムの理論解析を行った。この結果、Q値の高いLC共振器を変調器の負荷とすることにより、光子数の読みだしが可能となることが示された。現在、超伝導コイルをインダクタンスとする実験系を整備している。 3.半導体発光素子のショット雑音過程 LEDにおける電気的ショット雑音と光学的ショット雑音の間に、負の相関があることを明らかにした。この結果は、LED端子電圧の測定により、光子数が非破壊的に読み出せる可能性を示唆している。
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