研究課題/領域番号 |
02650304
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
羽根田 博正 神戸大学, 工学部, 教授 (10031113)
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研究分担者 |
木村 晋二 神戸大学, 工学部, 助手 (20183303)
太田 有三 神戸大学, 工学部, 助教授 (80111772)
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キーワード | マルチDSP / デジタル制御 / 最短スループット / 検証 / スケジューリング / 並列処理 |
研究概要 |
最終年度である平成4年度における研究は、研究計画に沿った形で行なわれ、以下のような研究成果を得た。 1.ディジタルプロセッサ構成法 調整ゲインを持つ状態フィードバック型ディジタル制御器ならびに制御プログラムを内蔵した離散伝達関数型制御器を複数のプロセッサを用いて構成実装する方法として、制御器での処理をサンプル周期ごとに異なったDSPに割り当てるサンプル毎切替方式を新しく提案した。即ち、各DSPに割り当てられ計算されたサンプル時点でのディジタル制御出力が共通バスによりすべてのDSPのメモリに書き込まれそこで以後の計算に用いられる。バス結合より発生するデータの競合問題はバスバッファの設置と各DSPに対するスケジューリングにより完全に解決された。刻々でのデータの可利用性を因果性条件として定式化し、この条件下での最短スループット時間を実現する構成法へと導いた。 2.制御器内プログラム生成法 制御器内プログラムには実現の自由度があるが、これらの中で計算の手間の少ないものを生成する必要があるため、生成方法を検討開発した。 3.支援ツール 計算器支援ツールとして、実装レベルでの総合的検証ができるようにハイブリッドシミュレータを開発した。そこではDSPのハードウエア構成レベルでの模擬やA/DならびにD/A変換器の量子化レベルでの模擬が行なえるようにした。これによりデータの衝突、競合の検証、メモリ内データ番地割当とデータ管理の検討、制御性能の確認が可能となった。 4.実際のDSPを用いて実装レベルでの総合的検証を行なうため、ロジックレベルでの検証を行ない極めて良好な結果を得た。 本年度は最終年度でもあるので、平成2年度、平成3年度で得られた研究成果を電子情報通信学会回路とシステム研究会、システム制御情報学会研究発表講演会、電気学会論文誌、国際学会IECON'92などにおいて広く内外に公表した。
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