初年度に計測に成功したキャビテ-ション観測デ-タ及び船尾変動圧力デ-タを利用し、既存デ-タとの比較、簡易推定法の評価などを行なった。 (1)キャビテ-ションに関しては、キャビテ-ション面積と運転条件との相関について、プロペラ翼の迎え角で整理すると、CPPの翼角影響もうまく表せることを明らかにした。このことは、CPP船であっても翼角の影響を考慮して、変動圧力に対するキャビテ-ション影響を量的に推定する可能性を示唆する。 (2)こうしたキャビテ-ション影響も考慮した変動圧力の簡易推定法について、計算が困難でなく、かつ比較的よく利用されているもの3つ(高橋、Holden、Johnssonの方法)を選び、比較検討を行なった。その結果Johnssonの方法は、固定ピッチプロペラについてはおよそ実用に耐える推定法であるが、しかしCPPの翼角の影響、及びプロペラスキュ-の影響についてはうまく表し得ないことが明らかになった。 (3)以上のことからCPPやスキュ-プロペラに関しては、新たな評価法を検討する必要がある。これには(1)に述べた結果が利用できると思われるが、推定法まで仕上げて行くにはもっとデ-タを推積する必要があり、本研究課題の範囲を越える新たな問題で、引続き取り組んでいく予定である。
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